2025年11月1日・2日の2日間、熊本県水俣市で開催されたスローフードのイベント「テッラマードレ・ジャパン2025 in 水俣」に、池嶋が参加してきました。

日本スローフード協会の渡邉めぐみ代表よりご依頼をいただき、初日の「アニマルウェルフェア交流会」にてモデレーターを務めさせていただきました。私自身も会員であるスローフードで、アニマルウェルフェアがテーマとして取り上げられたことを、とても嬉しく、心強く感じています。

11月1日(土)に開催された「アニマルウェルフェア交流会」では、3名の生産者の方々に登壇いただきリアルな声を聞きました。

山地 龍馬さん(大分県竹田市・宝牧舎)
阿部 葉さん(北海道新得町・共働学舎新得農場)
椛島剛士さん(熊本県南阿蘇村・椛島農園)

冒頭、私からは当時のスローフード協会の副会長アリス・ウォータースさんが2018年に来日された時に語った「子供や自分たちが食べるものについて、どんな農家さんがどこでどのように作ったものなのか考えてみましょう。」という言葉を紹介しました。そのうえで、畜産物の生産方法を考えるアニマルウェルフェアについて話題提供しました。


山地さんからは、消費者にはアニマルウェルフェアという言葉が浸透していなくて伝えたいことを十分に伝えきれないことを話されました。阿部さんからは、アニマルウェルフェアという言葉は、生産者の間では実現不可能なものとして好まれていないことが紹介されました。椛島さんからは、自身が取り組む200羽の平飼い養鶏のように街の周りに小規模な生産者が複数いて街の人々に生産物を供給できればよいという話題があがりました。

会場は学校の教室ほどの広さでしたが、初日の朝一番の講座としては予想を上回る約50名が参加。立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。日本国内だけでなく、韓国、台湾、タイなどのアジア圏のスローフード関係者も通訳を介して熱心に耳を傾けており、関心の高さが伺えました。

会が終わった後にも、会場などで色々な人がアニマルウェルフェアについて話題にしていたり、私も質問を受けたりと、関心の輪が広がったことが感じられました。


2日間にわたって開催された「テッラマードレ・ジャパン2025 in 水俣」では、手作りのお料理やツアーなど、地元の方々の暖かいご支援のもとで開催されていることが伝わってきました。全国、そして海外から約150名の地域代表団が水俣に集結。講座を中心とした開催の11月1日には地元の方々や熊本県知事も含めて約600名、そしてフードマーケットが開催された2日は約3,000名もの来場者で賑わいました。

会場では、スローフードから問いが投げかけられました。
「70年後に、あなたはどんな “おいしい” をつなぎますか?そして、そのために明日からすることは何ですか?」
集まった沢山の方々がそれぞれに、食にまつわる明るい未来を描いていることを共感した心暖まるスローフードイベントでした。運営に尽力された皆さまに、心より感謝申し上げます。