明治グループはグローバルに事業を展開する日本トップの乳業メーカーです。2026年7月に、これまでの「明治グループファームアニマルウェルフェアポリシー」を改訂して制定、開示しました。
2021 年 9 月に制定した同社のアニマルウェルフェアポリシーでは「家畜は感覚のある存在であることから、サプライチェーンにおいて、人権や環境への配慮に加え、家畜の生命の尊厳と人道的な取り扱いを重要視し、アニマルウェルフェアの向上を追求していくことは、重大な社会課題のひとつ」と捉えて、乳牛、豚、採卵鶏の扱いの公約を発表していました。
それにより日本企業の5社が評価対象(明治グループ、イオングループ、セブンイレブン、Umios(旧マルハニチロ)、日本ハム)になっているBusiness Benchmark on Farm Animal Welfare (BBFAW)では、1~6段階(1が最高評価)のTier評価でTier 5に評価された唯一の日本企業です。
【明治グループの鶏卵調達の方針】
原材料調達「鶏卵の調達」

期限、目標値明示した鶏卵調達方針のインパクト
明治グループによるケージフリー方針の策定は、日本の食品産業における大きなゲームチェンジャーと言えます。
世界展開する大企業が持つ複雑なサプライチェーンにおいて、2030年度末までに鶏卵の20%を切り替えるという目標設定は、国内では類を見ない先進的な試みです。同社はグローバルリーダーとして未来の持続可能なサプライチェーンの指針を示しており、業界全体へ波及効果をもたらすことが期待されます。
特に、自社事業として関わりの深い乳牛にとどまらず、採卵鶏のケージフリー化まで踏み込んだ点は、同社のアニマルウェルフェアに対する強いコミットメントを象徴しています。
ケージフリー鶏卵調達の旅の中で…
これまでAWCPでは時間をかけて、明治グループの皆様とエンゲージメントを重ねてまいりました。
お話の中で伺ったのは、鶏卵や畜産サプライチェーンに関する専門知識、事業上の課題としてのアニマルウェルフェアの現実、そして社内調整におけるご苦労の数々です。私たち自身、多くのことを学ばせていただきました。世界展開する企業として、お客様に愛される商品を「変わらぬおいしさ」で届け続けることは絶対の使命です。だからこそ「ケージフリー鶏卵20%」という大きな決断に至る背景には、各部署の皆様による真剣な議論、時には激しい衝突や強い不安もあったことと想像します。
それでも、エンゲージメントを継続してくださった各部署のリーダーの皆様の胸には、確かな「熱い思い」がありました。私たちAWCPもその熱意に支えられ、今日まで伴走を続けることができたと感じています。
「ケージフリー20%をやろう」
組織としての大きな決断を胸に抱き、一丸となって目標に向かって突き進む明治グループの皆様の姿から、私たちも深く学び、大きな刺激をいただきました。
展望:ケージフリーは宣言から「業界全体での具体的な実践」へのステージ
今回の決定を機に、多くの団体が同じ志を掲げ、明治グループの皆様と協働していきたいと考えております。こうした対話と協力によるアプローチこそ、日本の文化にも馴染むサステナブルな連携のカタチではないでしょうか。
日本の大企業には業務分野に関わらず、アニマルウェルフェア方針を掲げている企業が増えてきています。アニマルウェルフェア方針を掲げている企業はスタートラインに並んでいる:次は、具体的な政策を決定し公開する段階に入っているのです。
リテール企業では、日本トップのイオンが「イオンアニマルウェルフェア方針」を2026年の3月に制定したり、セブンイレブンなどのリテールがプライベートブランドのケージフリー鶏卵を店頭に並べています。
海外市場では、ケージフリーの実現はすでに企業の社会的責任として当たり前の前提となりつつあります。そうした世界標準の波が押し寄せる中、日本国内で圧倒的なシェアと影響力を持つキユーピーや明治グループが具体数値(「2030年度末までに国内20%・海外100%」など)を打ち出したことは、日本全体のサプライチェーンを動かす強力なインセンティブになります。
明治グループをはじめとする先駆企業の決断が引き金となり、他社も追随する大きな潮流が生まれると確信しています。日本発のグローバル企業がアニマルウェルフェアの分野でも世界をリードしていく未来に向けて、私たちAWCPも企業や生産者、消費者の皆様との対話を深め、持続可能な調達の実現へ向けて歩みを止めることなく活動を続けてまいります。
